胃炎(Gastritis)まとめ

■ 定義

胃炎とは、胃粘膜に炎症が生じた状態であり、 急性または慢性の経過をとる。 胃酸や消化酵素による攻撃と、 粘膜防御機構のバランスが崩れることで発症する。


■ 分類

  • 急性胃炎:急激に発症する炎症
  • 慢性胃炎:長期にわたる炎症(萎縮性胃炎など)
  • 萎縮性胃炎:胃粘膜の萎縮(胃がんリスク)

■ 原因

  • ヘリコバクター・ピロリ感染
  • NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
  • アルコール
  • ストレス
  • 刺激物(辛い食事など)

■ 病態

胃粘膜は粘液や血流により保護されているが、 これらの防御機構が低下すると、 胃酸やペプシンによる自己消化が起こり炎症が発生する。 ピロリ菌感染では慢性炎症が持続し、 萎縮や腸上皮化生へ進行することがある。


■ 症状

  • 心窩部痛(みぞおちの痛み)
  • 胃もたれ
  • 吐き気・嘔吐
  • 食欲不振
  • 胸やけ

■ 検査

  • 上部消化管内視鏡(胃カメラ)
  • ピロリ菌検査(尿素呼気試験など)
  • 血液検査

■ 西洋医学的治療

  • 薬物療法
    • プロトンポンプ阻害薬(PPI)
    • H2ブロッカー
    • 胃粘膜保護薬
  • ピロリ菌除菌療法
  • 生活習慣改善
    • 刺激物・アルコール制限
    • ストレス管理

■ 東洋医学的解釈

● 基本病態

  • 胃気虚:消化機能低下
  • 肝気犯胃:ストレスによる胃機能障害
  • 湿熱:炎症・不快感
  • 寒邪:冷えによる胃痛

● 証別分類

  • 肝気犯胃:ストレスで悪化・張り感
  • 胃気虚:食欲不振・疲労
  • 湿熱:胸やけ・口苦
  • 寒邪:温めると改善

■ 鍼灸アプローチ

● 治療方針

  • 胃の機能調整
  • 自律神経の安定化
  • ストレス軽減
  • 消化機能の補助

● 主要経穴

  • 中脘
  • 足三里
  • 内関
  • 脾兪
  • 胃兪
  • 太衝

● 配穴例

  • 胃気虚:中脘+足三里+脾兪
  • 肝気犯胃:太衝+内関+中脘
  • 寒邪:中脘+関元+温灸

● 手技

  • 中等度刺激(状態に応じ調整)
  • 補瀉併用
  • 温灸(冷えタイプ)

■ 鍼灸適応と注意点

● 適応

  • 慢性胃炎
  • 機能性ディスペプシア
  • ストレス性胃症状

● 注意(レッドフラッグ)

  • 吐血・黒色便
  • 急激な体重減少
  • 強い持続性疼痛
  • 貧血

※胃潰瘍・胃がんの可能性 → 医療機関へ


■ まとめ

胃炎は胃粘膜の炎症であり、 攻撃因子と防御因子のバランス破綻により発症する。 鍼灸は慢性期や機能性障害に対して、 自律神経調整や消化機能の改善を通じて有効である。 重篤疾患の鑑別が重要である。

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