副甲状腺は、甲状腺の後面に付着する小さな内分泌器官です。 通常は左右に2対、合計4個存在し、大きさは米粒ほどの小さな腺です。
副甲状腺は 副甲状腺ホルモン(PTH) を分泌し、 血液中のカルシウム濃度を調節する重要な働きを持っています。
カルシウムは
- 骨の形成
- 筋肉の収縮
- 神経伝達
- 血液凝固
などに必要な重要なミネラルであり、 副甲状腺はそのバランスを維持する役割を担っています。
副甲状腺ホルモン(PTH)
副甲状腺から分泌されるホルモンは 副甲状腺ホルモン(PTH:パラトルモン) です。
このホルモンは、 血液中のカルシウム濃度が低下したときに分泌され、 カルシウム濃度を上昇させる働きを持っています。
PTHの作用
副甲状腺ホルモンは、 主に次の3つの器官に作用します。
- 骨
- 腎臓
- 腸
① 骨への作用
骨からカルシウムを血液中へ放出させ、 血中カルシウム濃度を上昇させます。
② 腎臓への作用
尿中へのカルシウム排泄を減らし、 体内にカルシウムを保持します。
③ 腸への作用
ビタミンDの活性化を促進し、 腸からのカルシウム吸収を高めます。
このように副甲状腺ホルモンは、 骨・腎臓・腸を通して 血中カルシウム濃度を維持する 働きをしています。
カルシウム調節の重要性
カルシウムは、 身体の多くの機能に関係しています。
- 神経の興奮伝達
- 筋肉の収縮
- 心臓の拍動
- 血液凝固
そのため血中カルシウム濃度は 一定の範囲に保たれる必要があります。
副甲状腺は、 この調節を担う重要な器官です。
副甲状腺機能の異常
副甲状腺機能亢進
- 骨量減少
- 骨痛
- 腎結石
副甲状腺機能低下
- 筋肉のけいれん
- 手足のしびれ
- テタニー
カルシウムは神経や筋肉の働きに関係するため、 異常があると神経筋症状が現れることがあります。
東洋医学的関連
東洋医学には副甲状腺という臓器概念はありませんが、 その働きは主に
- 腎
- 肝
- 脾
の機能と関連づけて理解することができます。
① 腎と骨の関係
東洋医学では 腎は骨を主る とされています。
骨の発育や強さは 腎精の充実と深く関係すると考えられています。
副甲状腺ホルモンが 骨のカルシウム代謝に関わることは、 東洋医学における
- 骨
- 腎
の関係と重ねて理解することができます。
② 肝と筋の関係
肝は 筋を主る とされ、 筋肉の働きと関係します。
カルシウムは筋収縮に必要なミネラルであり、 副甲状腺の機能と筋肉の状態は 肝の働きとも関連づけて考えられます。
③ 脾と栄養代謝
脾は 運化 を主り、 飲食物から気血を生み出します。
カルシウムなどの栄養素の吸収は 脾の働きとも関連づけて理解することができます。
鍼灸との関連
鍼灸治療は副甲状腺疾患そのものを直接治療するものではありませんが、 骨・筋肉・神経の働きに関係する症状の改善を目的として 用いられることがあります。
特に
- 筋肉のけいれん
- 骨関節の痛み
- 慢性疲労
などの症状に対して施術が行われることがあります。
関連する主な症状
- 筋肉のけいれん
- しびれ
- 骨痛
- 関節痛
- 疲労感
関連する経絡
臨床でよく用いられる経穴
これらの経穴は 骨や筋肉の症状、全身の代謝調整などを目的として 臨床で用いられることがあります。
まとめ
- 副甲状腺は甲状腺の後面にある小さな内分泌器官である
- 副甲状腺ホルモン(PTH)を分泌する
- 血中カルシウム濃度を調節する
- 骨・腎臓・腸に作用する
- 東洋医学では腎・肝・脾の働きと関連づけて理解できる
- 鍼灸では骨や筋肉の症状の改善などに応用される

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