■ 概要
パラトルモン(PTH:Parathyroid Hormone)は、副甲状腺から分泌されるホルモンであり、血中カルシウム濃度を上昇させる主要なホルモンである。骨・腎臓・腸に作用し、カルシウムとリンの代謝を調節する。
■ 分泌部位
- 副甲状腺(上皮小体)
■ 標的器官
■ 主な作用
① 骨への作用
- 破骨細胞の活性化(間接的)
- 骨吸収の促進
- 血中へのカルシウム放出
② 腎臓への作用
- カルシウム再吸収の促進
- リン再吸収の抑制(リン排泄促進)
- ビタミンD活性化の促進
③ 腸への作用(間接)
- 活性型ビタミンDを介してカルシウム吸収促進
■ 作用のまとめ
- 血中カルシウム濃度を上昇させる
- 血中リン濃度を低下させる
■ 分泌調節
① 促進因子
- 血中カルシウム濃度低下(最も重要)
② 抑制因子
- 血中カルシウム濃度上昇
- 活性型ビタミンD
■ カルシトニンとの関係(重要)
- PTH:血中カルシウムを上げる
- カルシトニン:血中カルシウムを下げる
- 両者は拮抗的に働く
■ 生理学的ポイント
- カルシウム恒常性の中心的ホルモン
- 骨・腎・腸を連動させて調節する
- カルシウム低下時に即座に反応する
■ 異常と病態
① 分泌亢進
- 高カルシウム血症
- 骨吸収亢進 → 骨粗鬆症
- 腎結石
② 分泌低下
- 低カルシウム血症
- テタニー(筋けいれん)
■ 東洋医学的関連
カルシウム代謝および骨の維持は、東洋医学では「腎」の主骨作用と密接に関連すると考えられる。
骨の脆弱化や筋けいれんなどは「腎虚」や「肝血不足」として捉えられ、特に筋の異常(けいれん)は「肝」との関連も深い。
■ 鍼灸臨床との関連
骨代謝異常や筋けいれんに対しては、腎および肝の調整が重要となる。
- 腎の補益(太谿・腎兪など)
- 肝の調整(太衝など)
- 筋緊張緩和(局所治療)
骨粗鬆症やテタニー様症状に対しては、「腎精の補充」と「肝血の調整」を意識した施術が有効となる。
0 件のコメント:
コメントを投稿