■ 概要
細胞は生体の構造的・機能的最小単位である。 人体は約37兆個の細胞から構成され、それぞれが特定の役割を担いながら全体として統合された機能を発揮している。
細胞の構造と機能を理解することは、生理学・病理学のすべての基礎となる。
■ 細胞の基本構造
細胞は大きく以下の3要素から構成される。
- 細胞膜
- 細胞質
- 核
| 構造 | 主な機能 |
|---|---|
| 細胞膜 | 物質の出入りの調節、情報受容 |
| 細胞質 | 代謝反応の場 |
| 核 | DNAの保持、遺伝情報の制御 |
■ 細胞膜の特徴
細胞膜はリン脂質二重層からなり、流動モザイクモデルで説明される。
- 選択的透過性
- 受容体の存在
- イオンチャネルの開閉
膜の電位差(静止膜電位)は神経・筋の興奮性の基盤となる。
■ 細胞小器官の機能
| 小器官 | 機能 |
|---|---|
| ミトコンドリア | ATP産生(エネルギー代謝) |
| 粗面小胞体 | タンパク質合成 |
| 滑面小胞体 | 脂質合成・Ca²⁺貯蔵 |
| ゴルジ装置 | タンパク質修飾・分泌 |
| リソソーム | 細胞内消化 |
細胞はこれらの小器官が協調することで生命活動を維持している。
■ 細胞の主な機能
- 代謝(異化・同化)
- 増殖(細胞分裂)
- 分化
- 情報伝達
- アポトーシス(計画的細胞死)
細胞機能の破綻は、炎症・腫瘍・変性などの病態へとつながる。
■ 細胞間コミュニケーション
細胞は単独で存在するのではなく、化学物質や受容体を介して情報を交換している。
- 内分泌(ホルモン)
- 傍分泌
- 自己分泌
- 神経伝達
生体の統合的調節は、この細胞間情報伝達により成立している。
■ 東洋医学的視点
東洋医学には「細胞」という概念は存在しないが、 生命活動の最小単位を「気」の動きとして捉える思想がある。
気血水の循環が円滑であることは、細胞レベルで見れば、 十分な酸素供給・栄養供給・老廃物排出が保たれている状態と解釈できる。
細胞機能の低下は、東洋医学では「虚」や「瘀」として表現されることがある。
■ 鍼灸との関連
鍼刺激は、機械的刺激として細胞膜受容体や機械受容チャネルを活性化する。
- ATP放出の促進
- サイトカイン産生の調整
- 局所血流増加
- 線維芽細胞の活性化
これらは細胞レベルでの反応であり、 組織修復や疼痛緩和に関与すると考えられている。
すなわち、鍼刺激は細胞の応答性を利用した生理学的介入である。
■ まとめ
細胞は生体の最小単位であり、細胞膜・細胞質・核から構成される。 小器官が協調して代謝・増殖・情報伝達を行い、生命活動を支えている。
細胞機能の破綻は病態形成の出発点となる。
鍼灸は細胞レベルの応答を誘導し、 組織機能の回復に寄与する可能性がある。
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