■ 概要
心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP:Atrial Natriuretic Peptide)は、心臓の心房から分泌されるホルモンであり、体液量や血圧を低下させる作用を持つ。特に血液量の増加や心房の伸展に反応して分泌され、ナトリウム排泄と利尿を促進する。
■ 分泌部位
- 心臓(心房筋細胞)
■ 標的器官
■ 主な作用
① 腎臓への作用
- ナトリウム排泄促進(ナトリウム利尿)
- 水分排泄促進(利尿作用)
- 糸球体濾過量(GFR)増加
② 血管への作用
- 血管拡張
- 血圧低下
③ 内分泌への作用
■ 作用のまとめ
- ナトリウム排泄 ↑
- 水分排泄 ↑
- 血圧 ↓
- 体液量 ↓
■ 分泌調節
① 促進因子
- 心房の伸展(血液量増加)
- 静脈還流増加
② 抑制因子
- 血液量低下
■ レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系との関係
- ANP:体液量・血圧を下げる
- RAA系:体液量・血圧を上げる
- 互いに拮抗的に作用する
■ 生理学的ポイント
■ 異常と病態
① 分泌増加
- 心不全(代償反応として上昇)
② 機能低下
- 体液貯留傾向
- 高血圧の一因
■ 東洋医学的関連
ANPは水分代謝および体液調節に関与するため、東洋医学では「腎」と「脾」の水分調節機能と関連づけて考えられる。
体液過剰は「水滞」「痰湿」として表現され、むくみや重だるさとして現れる。
■ 鍼灸臨床との関連
浮腫や水分代謝異常に対しては、脾・腎の調整を中心とした施術が重要となる。
- 脾胃の調整(足三里・中脘など)
- 腎の調整(太谿・腎兪など)
- 水分代謝調整(三陰交・陰陵泉など)
むくみや高血圧、心不全に伴う症状に対しては、「水分代謝と体液バランスの調整」を意識した施術が有効となる。
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