■ 概要
セクレチン(Secretin)は、十二指腸のS細胞から分泌される消化管ホルモンであり、胃酸によって酸性化した内容物に反応して分泌される。主に膵液中の重炭酸イオン(HCO3⁻)分泌を促進し、胃酸を中和して腸内環境を整える役割を持つ。
■ 分泌部位
- 十二指腸(S細胞)
■ 標的器官
■ 主な作用
① 膵臓への作用
- 重炭酸イオン(HCO3⁻)分泌促進
- 膵液のアルカリ化
② 胆汁分泌の促進
- 胆汁分泌増加(アルカリ性)
③ 胃への作用
- 胃酸分泌の抑制
- 胃運動の抑制
■ 作用のまとめ
- 胃酸の中和
- 腸内環境の保護
- 消化酵素が働きやすい環境の形成
■ 分泌調節
① 促進因子
- 酸性内容物(胃酸)の流入(最重要)
② 抑制因子
- 腸内pHの上昇(中和後)
■ ガストリンとの関係
- ガストリン:胃酸分泌促進
- セクレチン:胃酸作用の抑制・中和
- 消化のバランスをとる関係
■ 生理学的ポイント
- 「酸を中和するホルモン」
- 膵液のアルカリ化を担う
- 腸粘膜保護に重要
■ 異常と病態
① 分泌低下
- 胃酸による腸粘膜障害
- 消化不良
② 分泌異常
- 膵液分泌異常
■ 東洋医学的関連
セクレチンは消化液分泌および消化環境の調整に関与するため、東洋医学では「脾」と「胃」の調和と関連づけて考えられる。
胃酸過多や消化不良は「胃熱」や「脾虚」、また消化機能のアンバランスは「肝気犯胃」として理解される。
■ 鍼灸臨床との関連
消化機能の調整においては、脾胃の機能改善とストレス調整が重要となる。
- 脾胃の調整(足三里・中脘など)
- 胃の調整(内関・梁丘など)
- 肝の調整(太衝など)
胃もたれ、胸やけ、消化不良などに対しては、「消化環境の調整」と「気の巡りの改善」を意識した施術が有効となる。
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