血漿のはたらき

■ 基本構造

血漿は血液の液体成分であり、全体の約55%を占める。主成分は水(約90%)で、そこにタンパク質・電解質・栄養素・老廃物・ホルモンなどが溶け込んでいる。

  • 水:約90%
  • 血漿タンパク:アルブミン・グロブリン・フィブリノゲン
  • 電解質:ナトリウム・カリウムなど

■ はたらき(西洋医学)

① 物質の運搬

栄養素・ホルモン・老廃物・ガスなどを全身に運ぶ媒体となる。

② 浸透圧の維持

アルブミンにより血管内の水分バランスを保ち、浮腫を防ぐ。

③ 血液凝固

フィブリノゲンなどの凝固因子により、出血時に血液を固める。

④ 免疫機能

グロブリン(抗体)により、病原体に対する防御を行う。

⑤ 酸塩基平衡の維持

血液のpHを一定に保つ緩衝作用を持つ。

⑥ 体温の分散

血流を通じて熱を全身に分配し、体温調節に寄与する。


■ 臨床との関連(西洋医学)

  • 脱水(血漿量減少)
  • 浮腫(低アルブミン血症など)
  • 凝固異常
  • 免疫低下(抗体異常)

■ 東洋医学的観点

① 津液(しんえき)との対応

血漿は「津液」に相当し、体内の水分・潤い・物質運搬を担う。

② 脾との関係(運化・水分代謝)

脾は水分の運搬・分配を担い、血漿の状態に大きく関与する。

③ 肺との関係(水道の調節)

肺は水の通り道を調整し、体表や全身への水分分布をコントロールする。

④ 腎との関係(水の根本)

腎は水分代謝の基盤であり、体液の保持・排泄を調整する。

⑤ 血との関係

血漿は血の一部として、血の流動性や栄養供給を支える。

⑥ 気血水の異常

  • 水滞:むくみ・重だるさ
  • 陰虚:乾燥・脱水傾向
  • 気虚:水分代謝低下
  • 湿:ベタつき・慢性炎症

■ 鍼灸臨床との関連

① 治療方針

  • 利水(水分代謝の改善)
  • 健脾(運化機能の強化)
  • 補気(水分循環の促進)
  • 滋陰(体液の補充)
  • 調肺(水分分布の調整)

② 主な適応

  • むくみ(浮腫)
  • 脱水傾向
  • だるさ・重感
  • 慢性炎症

③ 代表的な経穴

  • 陰陵泉:水分代謝の改善
  • 足三里:全身調整・脾の強化
  • 太谿:腎機能の補強
  • 肺兪:水分分布の調整
  • 三陰交:水・血の調整

④ 臨床ポイント

血漿は「流れる水」であり、鍼灸では単なる水分量ではなく、「巡り(循環)」と「分配(運化)」のバランスを整えることが重要となる。


■ まとめ

血漿は物質運搬・水分調整・免疫・凝固など多様な役割を担う血液の液体成分である。東洋医学では津液・気血の働きとして理解され、鍼灸では水分代謝と全身バランスの調整が重要となる。

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