高血圧症(Hypertension)まとめ

■ 定義

高血圧症とは、安静時における動脈血圧が持続的に高い状態を指す。 一般に収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上で診断される。


■ 原因

  • 本態性高血圧(約90%):明確な原因不明(遺伝・生活習慣)
  • 二次性高血圧:
    • 腎疾患(腎実質性・腎血管性)
    • 内分泌疾患(副腎・甲状腺など)
    • 薬剤(ステロイド、NSAIDsなど)

■ 病態

血圧は「心拍出量 × 末梢血管抵抗」で決定される。 高血圧では、交感神経の亢進、レニン・アンジオテンシン系の活性化、 血管の硬化(動脈硬化)などにより血管抵抗が増大する。 慢性的な血圧上昇は血管内皮障害を引き起こし、 脳・心臓・腎臓などの臓器障害へと進展する。


■ 症状

  • 多くは無症状(サイレントキラー)
  • 頭痛(特に後頭部)
  • めまい・ふらつき
  • 肩こり
  • 動悸

■ 検査

  • 血圧測定(診察室・家庭血圧)
  • 血液検査(脂質・血糖・腎機能)
  • 尿検査(蛋白尿)
  • 心電図・心エコー
  • 眼底検査(動脈硬化評価)

■ 西洋医学的治療

  • 生活習慣改善
    • 減塩(6g/日未満)
    • 体重管理
    • 運動習慣
    • 禁煙・節酒
  • 薬物療法
    • ACE阻害薬 / ARB
    • カルシウム拮抗薬
    • 利尿薬
    • β遮断薬

■ 東洋医学的解釈

● 基本病態

  • 肝陽上亢:ストレスにより気が上逆し血圧上昇
  • 肝火上炎:怒り・過度な緊張による熱の上昇
  • 痰湿:肥満・脂質異常による体内停滞
  • 腎虚:加齢による調節機能低下
  • 瘀血:血流障害による血圧上昇

● 証別分類


■ 鍼灸アプローチ

● 治療方針

  • 自律神経の調整(交感神経抑制)
  • 血流改善
  • 肝・腎の調整
  • ストレス緩和

● 主要経穴

● 配穴例

● 手技

  • 軽刺激(過度な刺激は血圧上昇の可能性)
  • 置鍼(リラックス誘導)
  • 呼吸に合わせた施術

■ 鍼灸適応と注意点

● 適応

  • 軽度〜中等度の本態性高血圧
  • ストレス関連の血圧上昇
  • 薬物療法の補助

● 注意(レッドフラッグ)

  • 180/120mmHg以上(高血圧緊急症)
  • 激しい頭痛・胸痛・呼吸困難
  • 意識障害

※上記は直ちに医療機関へ紹介


■ まとめ

高血圧症は自覚症状に乏しいが、長期的には重篤な臓器障害を引き起こす。 鍼灸では自律神経調整やストレス緩和を通じて血圧の安定に寄与できる。 西洋医学的管理と併用しながら、 「体質改善(東洋医学的アプローチ)」を行うことが重要である。

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