動脈硬化症(Atherosclerosis)まとめ

■ 定義

動脈硬化症とは、動脈の壁が肥厚・硬化し、弾力性が低下した状態を指す。 特に粥状動脈硬化(アテローム硬化)は、血管内に脂質が沈着し、 プラークを形成することで血流障害を引き起こす。


■ 分類

  • 粥状動脈硬化:脂質沈着による(最も重要)
  • 細動脈硬化:高血圧による小血管の変化
  • 中膜硬化(メンケベルグ型):中膜の石灰化

■ 原因(危険因子)

  • 加齢
  • 高血圧
  • 脂質異常症(LDL増加)
  • 糖尿病
  • 喫煙
  • 肥満・運動不足
  • ストレス

■ 病態

血管内皮の障害を起点として、LDLコレステロールが血管壁に侵入し、 マクロファージに取り込まれて泡沫細胞となる。 これが蓄積してプラークを形成し、血管内腔が狭窄する。 プラーク破綻により血栓が形成されると、 心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患を引き起こす。


■ 症状

  • 初期は無症状
  • 進行により以下を引き起こす:
    • 狭心症(胸痛)
    • 心筋梗塞
    • 脳梗塞(麻痺・言語障害)
    • 間欠性跛行(下肢の血流障害)

■ 検査

  • 血液検査(脂質プロファイル)
  • 血圧測定
  • 頸動脈エコー(IMT測定)
  • ABI(足関節上腕血圧比)
  • CT・MRI

■ 西洋医学的治療

  • 生活習慣改善
    • 食事療法(低脂質・低塩)
    • 運動療法
    • 禁煙
  • 薬物療法
    • スタチン(脂質低下)
    • 抗血小板薬
    • 降圧薬
  • 外科的治療
    • ステント留置
    • バイパス手術

■ 東洋医学的解釈

● 基本病態

  • 瘀血:血流の滞りが中心病態
  • 痰湿:脂質異常・肥満に対応
  • 気滞:ストレスによる気の停滞
  • 腎虚:加齢による機能低下

● 証別分類

  • 瘀血慢性化・固定症状・刺すような痛み
  • 痰湿肥満・重だるさ・胸苦しさ
  • 気滞ストレスで悪化・胸脇苦満
  • 腎虚高齢者・慢性経過

■ 鍼灸アプローチ

● 治療方針

  • 血流改善(活血化瘀)
  • 痰湿除去
  • 自律神経調整
  • 生活習慣改善の補助

● 主要経穴

● 配穴例

● 手技

  • 中等度刺激(循環促進)
  • 置鍼
  • 温灸(冷えがある場合)

■ 鍼灸適応と注意点

● 適応

  • 生活習慣病としての動脈硬化予防
  • 軽度の循環障害
  • 高血圧・脂質異常の補助療法

● 注意(レッドフラッグ)

  • 急性胸痛(心筋梗塞疑い)
  • 片麻痺・言語障害(脳梗塞疑い)
  • 急激な下肢痛・冷感(血栓)

※緊急性が高いため直ちに医療機関へ


■ まとめ

動脈硬化症は多くの重大疾患(心筋梗塞・脳梗塞)の基盤となる病態である。 鍼灸は直接的にプラークを除去するものではないが、 血流改善・自律神経調整・生活習慣改善の補助として有効である。 長期的な体質改善の視点で関わることが重要となる。

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