免疫のはたらき

概要

免疫(immunity)は、体内に侵入した病原体や異物を排除し、身体を防御する生体システムである。また、自己の細胞と異物を識別し、体内の恒常性を維持する役割も担う。


免疫の分類

1.自然免疫(先天免疫)

生まれつき備わっている防御機構であり、非特異的に異物へ迅速に反応する。

  • 皮膚・粘膜(物理的バリア)
  • 好中球・マクロファージ(貪食)
  • ナチュラルキラー(NK)細胞

2.獲得免疫(適応免疫)

特定の抗原に対して特異的に反応し、記憶を持つ免疫である。

  • B細胞:抗体産生(液性免疫
  • T細胞:細胞性免疫(感染細胞の排除)

主なはたらき

1.異物の排除

細菌、ウイルス、異物などを認識し、排除する。

2.自己と非自己の識別

自己の細胞と外来異物を区別し、不要な攻撃を防ぐ。

3.免疫記憶

一度侵入した病原体に対して、次回以降は迅速かつ強力に反応する。

4.腫瘍監視

異常な細胞(がん細胞など)を検出し、排除する。

5.炎症反応

異物侵入時に炎症を起こし、防御反応を活性化する。


免疫異常

1.免疫低下

  • 感染症にかかりやすい
  • 回復が遅い

2.過剰反応(アレルギー)

  • 花粉症
  • 喘息
  • アトピー性皮膚炎

3.自己免疫疾患

  • 関節リウマチ
  • 全身性エリテマトーデス

免疫と全身への影響

  • 感染防御
  • 炎症・修復
  • 慢性疾患との関連
  • ストレス・自律神経との関係

東洋医学的関連

正気と邪気

免疫機能は「正気」として捉えられ、外邪(病原体など)に対抗する力とされる。

  • 正気充実:病気になりにくい
  • 正気虚弱:感染しやすい

衛気(えき)との関係

衛気は体表を巡り、防御機能を担うとされる。皮膚や粘膜の防御機能は衛気と対応する。

気血との関係

免疫機能は気血の充実と巡行に依存する。

肺・脾・腎との関係

  • :外邪からの防御(皮膚・呼吸)
  • :栄養供給・免疫の基盤
  • :生命力・慢性疾患との関係

炎症と気血の停滞

炎症気血の滞りとして捉えられ、熱・腫脹・疼痛などの症状として現れる。


鍼灸との関連

免疫調整作用

鍼灸は免疫を単純に強めるのではなく、過不足を調整する作用を持つとされる。

自律神経を介した調整

免疫系は自律神経と密接に関係しており、鍼灸による自律神経調整が免疫機能に影響を与える。

炎症・慢性疾患への応用

慢性炎症免疫異常に対して、血流改善・ストレス軽減・全身調整を通じて症状緩和を図る。

アレルギー疾患

アレルギー体質に対して、肺・脾・腎の調整を中心に治療が行われる。

代表的な経穴

ストレスと免疫

ストレスは免疫機能を低下または過剰化させる。鍼灸はストレス緩和を通じて免疫バランスを整える。


まとめ

  • 免疫は異物排除と恒常性維持を担う生体防御システムである
  • 自然免疫と獲得免疫が協調して働く
  • 免疫異常は感染・アレルギー・自己免疫として現れる
  • 東洋医学では正気・衛気・気血・肺脾腎と関連づけられる
  • 鍼灸は自律神経を介して免疫機能を調整する

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