■ 定義
乳がんとは、 乳腺(主に乳管や小葉)の細胞から発生する悪性腫瘍である。 女性に最も多いがんの一つであるが、 男性にもまれに発症する。 早期発見・早期治療によって高い治癒率が期待できる。
■ 原因・危険因子
- 女性であること
- 加齢
- 家族歴・遺伝(BRCA1・BRCA2遺伝子など)
- 初経年齢が早い
- 閉経年齢が遅い
- 未出産・高齢初産
- 肥満(閉経後)
- 飲酒
- ホルモン補充療法
■ 病態
乳管や小葉の細胞に遺伝子異常が蓄積し、 異常細胞が増殖して乳がんとなる。 進行すると周囲組織へ浸潤し、 リンパ節や骨・肺・肝臓などへ転移する。
■ 分類
● 非浸潤がん
- 乳管内にとどまる
- 早期がん
● 浸潤がん
- 周囲組織へ広がる
- 転移の可能性がある
■ 主な症状
- 乳房のしこり
- 乳房の変形
- 乳頭陥没
- 乳頭からの血性分泌物
- 乳房の皮膚のくぼみ
- 腋窩リンパ節腫大
- 乳房痛(初期には少ない)
■ 転移しやすい部位
- 腋窩リンパ節
- 骨
- 肺
- 肝臓
- 脳
■ 検査
- マンモグラフィ
- 乳房超音波検査(エコー)
- MRI
- 針生検
- CT・PET-CT
- ホルモン受容体検査
- HER2検査
■ 西洋医学的治療
● 手術療法
- 乳房温存術
- 乳房切除術
- センチネルリンパ節生検
● 放射線療法
- 乳房温存術後に行われることが多い
● 薬物療法
- 抗がん剤
- ホルモン療法
- 分子標的薬(HER2陽性など)
- 免疫療法(一部症例)
■ 予防・早期発見
- 乳房セルフチェック
- 定期的なマンモグラフィ検診
- 適度な運動
- 適正体重の維持
- 節酒
■ 東洋医学的解釈
● 基本病態
● 証別分類
■ 鍼灸アプローチ
● 基本方針
- QOL向上
- 術後回復支援
- 疼痛緩和
- 倦怠感軽減
- 自律神経調整
● 主要経穴
● 配穴例
● 手技
- 患部への直接刺激は避ける
- 術後は創部やリンパ浮腫に配慮する
- 全身状態を確認しながら軽刺激で施術する
■ 鍼灸適応と注意点
● 適応
- 術後の肩こり・可動域制限
- 倦怠感
- 食欲低下
- 抗がん剤による悪心
- QOL向上
● 注意(レッドフラッグ)
- 新たなしこり
- 乳頭からの血性分泌
- 皮膚の陥凹・えくぼ症状
- 急速に大きくなる腫瘤
- 著しいリンパ節腫大
※乳房に異常を認めた場合は速やかに乳腺外科を受診する。鍼灸は標準治療(手術・薬物療法・放射線療法)を補完する目的で行う。
■ ポイント
- 女性で最も罹患数の多いがんである。
- 最も多い初発症状は乳房のしこりである。
- スクリーニング検査はマンモグラフィである。
- 確定診断は画像検査と生検で行う。
- 腋窩リンパ節へ転移しやすい。
- 遠隔転移では骨転移が多い。
- ホルモン受容体やHER2の有無が治療方針に重要である。
■ まとめ
乳がんは、 乳腺から発生する悪性腫瘍であり、 女性に最も多いがんの一つである。 乳房のしこりや乳頭異常を契機に発見されることが多く、 マンモグラフィ検診による早期発見が重要である。 治療は手術・放射線療法・薬物療法を組み合わせて行われる。 鍼灸は術後の疼痛や肩関節機能の改善、 抗がん治療による副作用の軽減、 QOL向上を目的とした補助療法として活用される。

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