■ 定義
肺がんとは、 肺や気管支の細胞から発生する悪性腫瘍である。 日本におけるがん死亡原因の上位を占める疾患であり、 早期発見・早期治療が予後を大きく左右する。
■ 原因・危険因子
- 喫煙(最大の危険因子)
- 受動喫煙
- 加齢
- 大気汚染
- アスベスト曝露
- ラドンガス
- 慢性肺疾患(COPDなど)
- 家族歴
■ 病態
肺や気管支の細胞に遺伝子異常が蓄積すると、 異常細胞が増殖し肺がんを形成する。 進行すると肺内だけでなく、 リンパ節や脳・骨・肝臓・副腎などへ転移する。
■ 分類
● 非小細胞肺がん(約80~85%)
- 腺がん(最も多い)
- 扁平上皮がん
- 大細胞がん
● 小細胞肺がん(約15~20%)
- 進行が速い
- 喫煙との関連が強い
- 早期から転移しやすい
■ 主な症状
初期は無症状のことも多い。
- 長引く咳
- 血痰
- 息切れ
- 胸痛
- 嗄声(声のかすれ)
- 体重減少
- 全身倦怠感
- 反復する肺炎
■ 転移しやすい部位
- リンパ節
- 脳
- 骨
- 肝臓
- 副腎
■ 検査
- 胸部X線検査
- 胸部CT検査
- 気管支鏡検査
- 生検(組織検査)
- PET-CT
- 遺伝子検査(EGFR・ALKなど)
- 腫瘍マーカー(CEA・CYFRA・ProGRPなど)
■ 西洋医学的治療
● 手術療法
- 肺葉切除術
- 区域切除術
- リンパ節郭清
● 放射線療法
- 根治照射
- 定位放射線治療
● 薬物療法
- 抗がん剤
- 分子標的薬
- 免疫チェックポイント阻害薬
■ 予防
- 禁煙
- 受動喫煙を避ける
- 定期健康診断
- 胸部画像検査
- 職業性粉じん対策
■ 東洋医学的解釈
● 基本病態
● 証別分類
■ 鍼灸アプローチ
● 基本方針
- QOL向上
- 呼吸機能補助
- 倦怠感軽減
- 食欲改善
- 抗がん治療副作用の軽減補助
● 主要経穴
● 配穴例
● 手技
- 軽刺激を基本とする
- 体力に応じて施術する
- 呼吸状態を十分確認する
■ 鍼灸適応と注意点
● 適応
- 術後の体力低下
- 慢性的な倦怠感
- 呼吸苦の軽減補助
- 食欲低下
- 抗がん剤による悪心・全身倦怠感
● 注意(レッドフラッグ)
- 血痰・喀血
- 呼吸困難の増悪
- 強い胸痛
- 急激な体重減少
- 持続する咳(3週間以上)
※肺がんが疑われる症状がある場合は速やかに呼吸器内科を受診する。鍼灸は手術・薬物療法・放射線療法など標準治療を補完する目的で行う。
■ ポイント
- 最大の危険因子は喫煙である。
- 肺がんは非小細胞肺がんと小細胞肺がんに大別される。
- 腺がんは非喫煙者にもみられ、最も頻度が高い。
- 小細胞肺がんは進行・転移が速い。
- 確定診断は画像検査と組織検査(生検)で行う。
- 脳・骨・肝臓・副腎へ転移しやすい。
- 長引く咳や血痰は重要な警告症状である。
■ まとめ
肺がんは、 肺や気管支から発生する悪性腫瘍であり、 喫煙が最大の危険因子である。 初期には症状が乏しいが、 進行すると咳・血痰・胸痛・息切れなどがみられる。 治療は手術・放射線療法・薬物療法を病期に応じて組み合わせて行う。 鍼灸は術後の体力回復や呼吸機能の補助、 抗がん治療による副作用軽減やQOL向上を目的とした補助療法として活用される。

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