大腸がん(Colorectal Cancer)まとめ

■ 定義

大腸がんとは、 大腸(結腸・直腸)の粘膜から発生する悪性腫瘍である。 日本では罹患数が非常に多いがんの一つであり、 早期発見・早期治療によって高い治癒率が期待できる。


■ 原因・危険因子

  • 加齢
  • 大腸ポリープ(腺腫)
  • 家族歴・遺伝
  • 高脂肪・低食物繊維の食事
  • 肥満
  • 運動不足
  • 喫煙
  • 過度の飲酒
  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)

■ 病態

大腸粘膜の細胞に遺伝子異常が蓄積し、 腺腫(ポリープ)から徐々にがんへ進行することが多い。 進行すると腸壁へ浸潤し、 リンパ節や肝臓・肺などへ転移することがある。


■ 分類

● 結腸がん

  • 上行結腸
  • 横行結腸
  • 下行結腸
  • S状結腸

● 直腸がん

  • 肛門に近いため排便症状が出やすい

■ 主な症状

早期は無症状のことも多い。

  • 血便
  • 便潜血陽性
  • 便が細くなる
  • 便秘と下痢を繰り返す
  • 残便感
  • 腹痛
  • 体重減少
  • 貧血
  • 全身倦怠感

■ 転移しやすい部位

  • リンパ節
  • 肝臓(最も多い)
  • 腹膜

■ 検査

  • 便潜血検査
  • 大腸内視鏡検査
  • 生検
  • CT検査
  • MRI検査(直腸がん)
  • 腫瘍マーカー(CEAなど)

■ 西洋医学的治療

● 内視鏡治療

  • ポリープ切除
  • ESD

● 手術療法

  • 結腸切除術
  • 直腸切除術
  • リンパ節郭清

● 薬物療法

  • 抗がん剤
  • 分子標的薬
  • 免疫療法(一部症例)

● 放射線療法

  • 主に直腸がんで行われる

■ 予防

  • 食物繊維を十分に摂取する
  • 野菜・果物を取り入れる
  • 適度な運動
  • 禁煙
  • 節酒
  • 便潜血検査を定期的に受ける
  • 必要に応じて大腸内視鏡検査を受ける

■ 東洋医学的解釈

● 基本病態

● 証別分類


■ 鍼灸アプローチ

● 基本方針

  • QOL向上
  • 消化機能維持
  • 食欲改善
  • 術後回復支援
  • 抗がん剤副作用の軽減補助

● 主要経穴

● 配穴例

● 手技

  • 軽刺激を基本とする
  • 術後は創部を避ける
  • 全身状態を確認しながら施術する

■ 鍼灸適応と注意点

● 適応

  • 術後の体力低下
  • 食欲不振
  • 便秘・下痢
  • 腹部膨満感
  • 抗がん剤による倦怠感・悪心

● 注意(レッドフラッグ)

  • 血便
  • 急激な体重減少
  • 高度の貧血
  • 腸閉塞が疑われる腹痛・嘔吐
  • 持続する便通異常

※血便や便通異常が続く場合は、大腸がんを含む消化器疾患の可能性があるため、速やかに消化器内科を受診する。鍼灸は医療機関での治療を補完する目的で行う。


■ ポイント

  • 日本で罹患数の多いがんである。
  • 血便・便潜血陽性は重要な初発所見である。
  • 確定診断は大腸内視鏡検査と生検で行う。
  • 腺腫(ポリープ)から発生することが多い。
  • 最も多い遠隔転移は肝転移である。
  • 便潜血検査はスクリーニング検査として広く用いられる。

■ まとめ

大腸がんは、 大腸の粘膜から発生する悪性腫瘍であり、 血便や便通異常を契機に発見されることが多い。 早期には症状が乏しいため、 便潜血検査や大腸内視鏡検査による定期的な検診が重要である。 治療は内視鏡治療・手術・薬物療法・放射線療法(主に直腸がん)が中心となる。 鍼灸は術後の体力回復や消化機能の改善、 抗がん治療による副作用の軽減などを目的とした補助療法として活用される。

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