■ 定義
反射(reflex)とは、特定の刺激に対して意識を介さずに迅速かつ定型的に生じる反応である。
中枢神経系を介するが、必ずしも大脳皮質の関与を必要としない。
■ 反射弓(reflex arc)の構成
反射は以下の5要素から構成される。
- 受容器(receptor)
- 求心性神経(感覚神経)
- 中枢(脊髄・脳幹など)
- 遠心性神経(運動神経)
- 効果器(筋・腺)
この経路のいずれかに障害があると、反射は減弱または消失する。
■ 分類
① 体性反射(somatic reflex)
効果器:骨格筋
● 深部反射(腱反射・伸張反射)
筋紡錘が伸張を感知し、同名筋を収縮させる反射。
単シナプス反射であり、応答が速い。
- 膝蓋腱反射(L2〜L4)
- アキレス腱反射(S1〜S2)
- 上腕二頭筋反射(C5〜C6)
- 上腕三頭筋反射(C7〜C8)
● 表在反射
皮膚刺激によって誘発される反射。
- 腹壁反射
- 足底反射
錐体路障害ではバビンスキー徴候が出現する。
② 自律反射(autonomic reflex)
効果器:平滑筋・心筋・腺
- 瞳孔対光反射
- 排尿反射
- 圧受容体反射(血圧調節)
■ 代表的反射
① 伸張反射
- 刺激:筋の急速な伸張
- 受容器:筋紡錘
- 機能:姿勢保持・筋緊張維持
上位運動ニューロン障害では亢進、下位運動ニューロン障害では低下・消失する。
② 屈曲反射(逃避反射)
侵害刺激に対して四肢を屈曲させる多シナプス反射。
対側には交叉性伸展反射が生じることがある。
■ 上位・下位運動ニューロン障害との関連
| 障害部位 | 反射所見 |
|---|---|
| 上位運動ニューロン(錐体路) | 亢進 |
| 下位運動ニューロン | 低下・消失 |
上位中枢は通常、反射を抑制しているため、障害されると反射は亢進する。
■ 臨床的意義
反射は神経学的診察において重要な局在診断指標である。
脊髄レベルの評価や錐体路障害の有無を判断する。
■ 東洋医学的関連(参考)
■ まとめ
- 反射は無意識・迅速・定型的反応である
- 反射弓(5要素)で成立する
- 深部反射は単シナプス反射
- 上位障害で亢進、下位障害で低下
- 神経局在診断に極めて重要
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