■ 概要
成長ホルモン(GH:Growth Hormone)は、下垂体前葉から分泌されるホルモンであり、身体の成長促進および代謝調節に重要な役割を持つ。特に肝臓で産生されるIGF-1(インスリン様成長因子)を介して、骨や筋肉の成長を促進する。
■ 分泌部位
- 下垂体前葉
■ 標的器官
■ 主な作用
① 成長促進作用
- 肝臓でIGF-1を産生 → 骨・軟骨の成長促進
- タンパク質合成促進
- 細胞増殖の促進
② 糖代謝
- 血糖値を上昇させる(インスリンに拮抗)
- 末梢でのグルコース利用抑制
③ 脂質代謝
- 脂肪分解の促進
■ 分泌調節
① 促進因子
- GHRH(成長ホルモン放出ホルモン)
- 睡眠(特に深睡眠)
- 運動
- 低血糖
- ストレス(急性)
② 抑制因子
- ソマトスタチン
- 高血糖
- 肥満
■ 分泌様式(重要)
- パルス状分泌(特に夜間にピーク)
- 概日リズムに依存
■ フィードバック機構
GHおよびIGF-1は、視床下部および下垂体前葉に作用し、GHRH分泌を抑制しソマトスタチン分泌を促進することで、GH分泌を抑制する(負のフィードバック)。
■ 生理学的ポイント
■ 異常と病態
① 分泌低下
- 成長障害(小人症)
- 筋力低下・代謝低下
② 分泌亢進
- 巨人症(成長期)
- 先端巨大症(成人)
■ 東洋医学的関連
成長ホルモンは身体の発育や再生に関わるため、東洋医学では「腎」の精(腎精)および「脾」の運化作用と深く関連すると考えられる。
発育不全や筋力低下は「腎虚」「脾虚」として捉えられ、逆に過剰な成長や異常な増殖は「陰陽の失調」として理解される。
■ 鍼灸臨床との関連
鍼灸では、睡眠の質や自律神経の調整を通じて成長ホルモン分泌に影響を与える可能性がある。特に夜間のGH分泌を意識した治療が重要である。
- 腎の補益(太谿・腎兪など)
- 脾胃の調整(足三里・中脘など)
- 睡眠改善(神門・百会など)
成長期の発育促進だけでなく、成人における疲労回復や代謝改善にも重要な視点となる。
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