ソマトスタチン(成長ホルモン抑制ホルモン)まとめ

■ 概要

ソマトスタチン(Somatostatin)は、視床下部をはじめとする複数の組織から分泌されるホルモンであり、主に成長ホルモン(GH)の分泌を抑制する働きを持つ。また、消化管や膵臓においても分泌され、内分泌消化機能全体を抑制する「ブレーキ役」として作用する。


■ 分泌部位


■ 標的器官


■ 主な作用

① 下垂体への作用

  • 成長ホルモン(GH)の分泌抑制
  • (一部)TSH分泌の抑制

② 膵臓への作用

③ 消化管への作用

  • 消化管ホルモン分泌の抑制
  • 胃酸分泌の抑制
  • 消化管運動の抑制

■ 作用の位置づけ(重要)

ソマトスタチンは、複数のホルモン分泌や消化機能を抑制することで、全身の代謝消化活動を過剰にならないよう調整する「抑制系ホルモン」である。


■ 分泌調節

① 促進因子

  • 血糖上昇
  • 消化管活動の亢進
  • 成長ホルモン・IGF-1(フィードバック)

② 抑制的関係

  • GHRH(成長ホルモン放出ホルモン)と拮抗

■ フィードバック機構

成長ホルモンおよびIGF-1の増加は、視床下部に作用してソマトスタチン分泌を促進し、GH分泌を抑制する(負のフィードバック)。これにより成長ホルモンの過剰分泌が防がれる。


■ 生理学的ポイント

  • 「抑制のホルモン」として多系統に作用
  • GHRHとバランスをとりGH分泌を調整
  • 内分泌消化の両方に関与する点が重要

■ 異常と病態

① 過剰

  • GH分泌低下 → 成長障害
  • 消化機能低下(胃腸運動低下など)

② 低下

  • ホルモン分泌の過剰(相対的)

■ 東洋医学的関連

ソマトスタチンの「抑制・調整」という作用は、東洋医学における「陰」の制御作用や「肝」の調節機能と関連づけて考えることができる。

過剰な活動を抑える働きは「陰虚による陽亢」の抑制や、「肝気の調整」として理解されることがある。一方で過剰に抑制されると「脾虚」による消化機能低下として現れる可能性がある。


■ 鍼灸臨床との関連

ソマトスタチンは内分泌消化機能の抑制に関与するため、鍼灸ではそのバランス調整が重要となる。過剰な抑制状態では消化機能低下や代謝低下がみられるため、脾胃の調整が中心となる。

  • 脾胃の調整(足三里・中脘など)
  • 肝の調整(太衝など)
  • 全身の気血バランス調整

消化不良や食欲不振、代謝低下などの症状に対しては、「抑制過多」の視点からのアプローチが有効となる。

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