■ 概要
ニューロン(神経細胞)は、情報の受容・統合・伝達を担う細胞である。 神経系はこのニューロンを基本単位として構成され、生体の迅速な調節機構を形成している。
ニューロンは電気的興奮性を持ち、活動電位を発生・伝導することで情報を伝える。
■ ニューロンの基本構造
ニューロンは以下の3つの主要構造からなる。
- 樹状突起
- 細胞体
- 軸索
| 構造 | 主な役割 |
|---|---|
| 樹状突起 | 刺激の受容 |
| 細胞体 | 情報の統合 |
| 軸索 | 活動電位の伝導 |
軸索の末端はシナプスを形成し、次の細胞へ情報を伝える。
■ ニューロンの分類
機能により以下のように分類される。
- 感覚神経(求心性)
- 運動神経(遠心性)
- 介在神経(中間ニューロン)
構造的には単極性・双極性・多極性ニューロンに分けられる。
■ 有髄神経と無髄神経
軸索は髄鞘で覆われることがある。
- 有髄神経:跳躍伝導、伝導速度が速い
- 無髄神経:連続伝導、伝導速度が遅い
髄鞘は中枢ではオリゴデンドロサイト、末梢ではシュワン細胞が形成する。
■ グリア細胞
神経系にはニューロン以外に支持細胞(グリア)が存在する。
- アストロサイト
- オリゴデンドロサイト
- ミクログリア
- シュワン細胞
グリアは栄養供給、絶縁、免疫機能などを担う。
■ ニューロンの機能的特徴
- 興奮性
- 伝導性
- 可塑性(シナプス強度変化)
神経可塑性は学習や記憶の基盤である。
■ 異常と病態
- 脱髄疾患
- ニューロパチー
- 神経変性疾患
ニューロンの構造・機能障害は感覚異常や運動麻痺を引き起こす。
■ 東洋医学的視点
東洋医学では神経細胞という概念はないが、 感覚や運動の伝達は「経絡」や「気の流れ」として説明される。
しびれや疼痛は気血の停滞とされることが多く、 これは神経伝導異常と対比できる。
経絡上の反応点は、神経・血管が豊富な部位と一致することがある。
■ 鍼灸との関連
鍼刺激は主に末梢神経終末を介して求心性ニューロンを活性化する。
- Aδ線維刺激 → 鎮痛反応
- C線維刺激 → 自律神経反応
- 脊髄レベルでのゲート制御
これらの入力は中枢神経系で統合され、 内因性オピオイド放出や自律神経調整を引き起こす。
したがって、鍼治療はニューロンの興奮と可塑性を利用した介入である。
■ まとめ
ニューロンは情報の受容・統合・伝達を担う神経細胞である。 樹状突起・細胞体・軸索から構成され、活動電位により情報を伝える。
グリア細胞は神経機能を支持し、神経可塑性は学習や適応に関与する。
鍼灸は末梢ニューロンを刺激し、 中枢を介した調節反応を引き起こす治療法と理解できる。