炎症とは
炎症とは、身体が組織の損傷や感染に対して起こす防御反応を指します。
細菌やウイルスの感染、外傷、毒性物質、虚血などによって組織が損傷すると、 身体はそれを排除し修復するためにさまざまな反応を起こします。
この一連の反応が炎症です。
炎症は病気の原因のように思われがちですが、 本来は身体を守るための重要な生体防御反応です。
炎症によって
- 原因物質の排除
- 損傷組織の除去
- 組織の修復
が行われます。
炎症の原因
炎症を引き起こす原因にはさまざまなものがあります。
これらの刺激によって組織が損傷すると、 免疫細胞や炎症性物質が働き炎症反応が起こります。
炎症の5徴候
炎症には古くから知られている特徴的な症状があります。
これを炎症の5徴候といいます。
- 発赤(赤くなる)
- 熱感(熱をもつ)
- 腫脹(腫れる)
- 疼痛(痛み)
- 機能障害
これらは炎症による血流変化や化学物質の作用によって生じます。
発赤と熱感
炎症部位では血管が拡張し血流が増加するため、 皮膚が赤くなり熱を持ちます。
腫脹
血管の透過性が高まり、 血漿成分が組織へ漏れ出ることで腫れが生じます。
疼痛
炎症によって産生される物質が神経を刺激し、 痛みが生じます。
機能障害
腫れや痛みによって、 その部位の機能が低下します。
炎症の目的
炎症の主な目的は次の三つです。
- 原因物質の排除
- 損傷組織の除去
- 組織修復の促進
炎症は身体にとって必要な反応ですが、 過剰に起こると組織障害を引き起こすこともあります。
そのため身体は炎症を適切に制御する仕組みを持っています。
急性炎症と慢性炎症
炎症は大きく次の二つに分類されます。
急性炎症
短期間に起こる炎症で、 主に好中球が中心となって働きます。
感染や外傷などに対して 迅速に反応する防御機構です。
慢性炎症
炎症が長期間続く状態です。
リンパ球やマクロファージなどが関与し、 組織破壊と修復が同時に進行します。
多くの慢性疾患は慢性炎症と関係しています。
東洋医学的関連
東洋医学には炎症という言葉はありませんが、炎症と関連する病態は古くから記述されています。
特に関連する概念として次のものがあります。
- 熱
- 火
- 毒
- 瘀血
熱証との関連
東洋医学では身体に「熱」が生じると、
- 発赤
- 発熱
- 腫れ
- 痛み
などの症状が現れると考えられています。
これは炎症の五徴候とよく似た特徴を持っています。
熱毒との関連
感染症や化膿性炎症は 東洋医学では「熱毒」として理解されます。
熱毒が強くなると、 腫れや痛みが強くなると考えられています。
瘀血との関連
炎症が長期化すると血流が停滞し、 東洋医学でいう瘀血の状態になることがあります。
慢性炎症は瘀血の病態と関連する場合があります。
鍼灸との関連
鍼灸治療は炎症と関連するさまざまな症状に対して用いられています。
鍼灸刺激には次のような作用が報告されています。
例えば筋肉や関節の炎症では、 鍼灸によって局所の血流が改善し、 炎症物質の排出が促進される可能性があります。
また神経系を介して 炎症反応を調整する可能性も研究されています。
東洋医学では炎症に対して、
などの治療方針が用いられます。
これらの方法によって、 身体の恒常性を整え、 過剰な炎症反応を調整することが目的とされます。
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