■ 概要
コルチゾール(Cortisol)は、副腎皮質(束状帯)から分泌される糖質コルチコイドであり、ストレス応答や代謝調節において中心的な役割を担うホルモンである。血糖維持、抗炎症作用、免疫調節など多彩な作用を持つ。
■ 分泌部位
- 副腎皮質(束状帯)
■ 標的器官
■ 主な作用
① 糖代謝
- 糖新生の促進(肝臓)
- 血糖値の上昇
② タンパク質代謝
- タンパク質分解促進(筋肉)
- アミノ酸供給増加
③ 脂質代謝
- 脂肪分解の促進
④ 抗炎症・免疫抑制作用
⑤ ストレス応答
- ストレス時のエネルギー供給確保
- 生命維持機能の優先化
■ 分泌調節(HPA軸)
■ フィードバック機構(重要)
コルチゾールは、視床下部および下垂体前葉に作用し、CRHおよびACTHの分泌を抑制する(負のフィードバック)。これにより過剰なストレス反応が抑えられる。
■ 分泌様式
- 日内リズム(早朝高値・夜間低値)
- ストレス時に急増
■ 生理学的ポイント
- ストレス応答の中心ホルモン
- 血糖維持に重要(低血糖防止)
- 長期的には組織分解作用を持つ
■ 異常と病態
① 分泌亢進
- クッシング症候群
- 中心性肥満・高血糖
- 筋力低下
- 免疫低下
② 分泌低下
- 副腎不全(アジソン病)
- 低血糖
- 倦怠感
- ストレス耐性低下
■ 東洋医学的関連
コルチゾールはストレス応答とエネルギー代謝に関与するため、東洋医学では「腎」の精・気および「肝」の疏泄作用と関連づけて考えられる。
慢性ストレスによる消耗は「腎虚」、ストレスによる気の停滞や亢進は「肝気鬱結」「肝陽上亢」として理解される。
■ 鍼灸臨床との関連
コルチゾールを中心としたHPA軸の調整は、ストレス関連症状に対する鍼灸治療の重要なターゲットとなる。
- 肝の調整(太衝・期門など)
- 腎の補益(太谿・腎兪など)
- 自律神経調整(神門・内関など)
不眠・倦怠感・不安・慢性炎症などに対しては、「ストレス応答の過剰・低下」を意識した全身調整が重要となる。
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